感染率が高いのに自覚症状が非常に出にくい厄介な性病
性病の中で最も認知度が高いのが、この『クラミジア』だとされています。
それもそのはず、日本国内でのクラミジア感染者が爆発的に増えているんです。
なかでも、10代・20代での感染者が急激に増え始め、歯止めが止まらない状況にあるんだとか。
また、日本だけではなく、海外でも爆発的に増えている性病であり、国際的にも問題となっているほど。
このクラミジアですが、もともとは「トラコーマ」と呼ばれる病原菌で、目に感染する病気で充血だったり、痛みや痒みを伴うものでした。
ところが、現代では性行為によって感染する感染症、つまり性病として認知度が高くなっています。
このクラミジアは一回の性行為でなんと50%以上の確率で感染し、通常、性行為後1週間~2週間の潜伏期間を経て発症すると言われています。
ものすごく感染力が強い菌なのですが自覚症状が出にくい、とても厄介な性質を持っています。
クラミジアにかかったときの症状
【男性の症状】
- 排尿時におしっこがしみる
- 尿道の炎症
- 排尿後に膿が出る
- ペニスがむず痒い
【女性の症状】
- おりものの増加
- 排尿時の痛み
- 下腹部痛
などのような症状が一般的に出てくるとされています。
ただし、先ほども言ったように、クラミジアは自覚症状が非常に出にくく、男性の場合5割、女性の場合8割の方が無自覚であると言われています。
つまり、感染していても気が付きにくいため、次から次へと感染してしまういうとても怖い病気なのです。
クラミジアを放置すると・・
これを放置してしまうと、男性の場合は
- 前立腺炎
- 副睾丸炎
女性の場合は
- 子宮頸管炎
- 子宮内膜炎
などになる可能性があります。
特に気を付けてほしいのは女性でクラミジアによる重症化が指摘されており、クラミジアが原因で子宮内膜炎や不妊症、子宮外妊娠、流産などにつながる可能性があると言われています。
また、クラミジアは性器のみ感染すると思われている方がいますが、咽喉にも感染します。
フェラチオやクンニリングスによる行為からも感染しますので、相手もしくは自分が感染している場合、感染していない人へと感染させてしまいます。
性器クラミジアよりは感染者が少ないと言われていますが、咽喉の性病検査をしている方が少ないのが現状であり、実際の感染者は多いと推測されます。

クラミジアの検査方法
男性の場合、一般的に行われるのが「尿検査」です。
この検査で、クラミジアに感染しているかどうかをかなり正確に調べることができます。
数年前までは尿道に直接綿棒を入れて検査する方法があり、痛くて受けるのをためらわれる方も多かったのですが、現在では尿検査のみのPCR検査で調べることが一般的になりました。
ごく稀にこの尿道検査をまだ行っている病院やクリニックもあるので、不安な方は受診する前にクリニックにあらかじめ検査方法確認することをおすすめします。
ですから、痛い検査はされませんので、もし不安を感じられている方は、一度性病検査をすることをおすすめします。
女性の場合、子宮頸部の粘膜を採取する膣分泌液検査が一般的です。「粘膜を採取する」と聞くと少し怖く感じるかもしれませんね。でも痛みなどはほとんどありませんし、検査もあっという間に終わります。
膣分泌液検査もクラミジアに感染しているかどうかを正確に調べることができます。
クラミジアは放置すると不妊症などになる恐れがあります。これから結婚・妊娠をする予定の女性はぜひ一度検査してみるといいですよ。
クラミジアの治療方法
クラミジアの治療方法ですが、基本的には内服薬(抗生物質)が一般的です。
色々と内服薬の種類もありますが、最近ではジスロマックという抗生物質が有名です。
ジスロマックは風邪の場合にも処方されるので、名前を知っている人も多いかもしれませんね。クラミジアに感染していた場合もこのジスロマックが処方されることが多いです。
クラミジア自体はそれほど強い菌ではないため、処方された内服薬を飲めばだいたい1週間から2週間程度で完治するとされています。
なので、あまり心配する必要はありません。
ただ、ジスロマックは妊婦さんにも使われる抗生物質で安全性は高いのですが、結構強めの抗生剤なので、副作用が出ることがあります。
これは薬剤師に聞いた話なのですが、頭痛・吐き気・下痢・倦怠感などが出る可能性が5割近くあるんだとか。
その多くが「ひどい下痢」です。

大抵の方は1日で症状は治まるようです。長い方でも2~3日もすれば治まりますので安心してくださいね。
それより長引く方は、治療された病院に相談されてください。
ただ、最近ではジスロマックSRなどに耐性のあるクラミジアが出ているので、ジスロマックで治らなかった場合、系統の違うグレースビット・オゼックス・クラビットなどを使用して治療します。
そのため、少し治療が長引くことがあります。
気をつけなければいけないのは「その期間は絶対に性行為をしない!」ということです。
誤解をされる方もいらっしゃるのですが、薬を飲んだからと言ってその日に完治することはありません。
薬がなくなる頃に、もう一度検査がありますので、お医者さんに治ったと言われるまでは我慢してください。
オナニー(マスターベーション)も皮膚を傷つける可能性があり、炎症の原因にもなりますので、出来る限り避けるべきです。
もちろん、あなたにパートナーがいるのであれば、パートナーも感染している可能性が高いです。
ですから、パートナーもお医者さんに診てもらってくださいね。
クラミジアのまとめ
クラミジアはたった1度の性行為で5割の確率で感染すると言われています。
排尿時の痛みや痒みなどがある方はもちろん、一度でも性行為をしたことがある方は、パートナーに移さないためにもまずは検査してみましょう。